ドラムを演奏する際、ほとんどの人が最初に学ぶのは「クロスハンド奏法」です。しかし、より自由度の高いプレイスタイルとして、「オープンハンド奏法」という選択肢があることをご存知でしょうか?
オープンハンド奏法は、右手でハイハット、左手でスネアを叩くクロスしないフォームのことを指します。
本記事では、オープンハンド奏法とクロスハンド奏法の違いを比較しながら、それぞれのメリット・デメリットを解説し、オープンハンドを習得するための練習法を紹介します!
初心者の方でも取り組みやすい練習メニューも紹介しているので、ぜひ最後まで読んでオープンハンド奏法をマスターしましょう!

クロスハンド奏法
クロスハンド奏法は、多くのドラマーが最初に学ぶ演奏方法で、右手でハイハット、左手でスネアを叩くのが基本です。そのため、ハイハットを叩く右手がスネアの左手の上をクロスする形になります。
その為、フレーズによっては右手と左手のスティックがぶつかりやすかったり、左手のスティックの振り幅が稼ぎにくかったりします。
最も手数が多くなるハイハットを多くの方が利き手としている右手で叩く事ができる反面、左利きの方にとっては叩きにくいと感じる場面もあるかもしれません。
オープンハンド奏法
オープンハンド奏法では、左手でハイハット、右手でスネアを叩くクロスしないフォームを採用します。これにより、腕が交差することなく、より自由な動きが可能になります。
特に左利きの方にお勧めしたい演奏方法となっており、利き手で最も手数の多いハイハットを演奏することができるので、習得しやすい演奏スタイルとなっています。
もちろんプロの方でオープンハンド奏法を使用されている方もいらっしゃいます。
左利きの方
左利きの方でオープンハンドを使用されている方はかなり多い印象です。
左手でハイハットを演奏する場合、クロスハンドを使用する場合だとセッティングがかなり大変になることや、バスドラムを左足で演奏しないといけなくなる点等から、オープンハンドを選択される方が多いようです。通常のセッティングのまま利き手を活かして演奏することができるメリットが大きいのでしょう。
注意点としては、ライドシンバルの位置の調整が必要になってくる点や、フィルの時などに少し特有のクセがあり、こちらは練習を重ねて自分に合ったスタイルを見つけていく必要があります。
右利きの方
右利きの方でオープンハンドを使用する最大のメリットは見た目がかっこいい点にあると考えています。レギュラーグリップと同じ要領で考えてもらってOKです。
しかし、オープンハンドの練習を行う事には大きなメリットがあります。
まずは左手の強化につながります。
そして右手と左手の手順を逆にすることによって手癖の言語を行う練習にもなります。
実際のライブやレコーディングで使用することはなくても、オープンハンドの練習を行う事には大きなメリットがあるのです。
また、左手から始まるルーディメンツを習得する練習になることも大きなメリットです。常に右手から始まっていたフィルを左手から演奏することができるようになれば演奏の幅が広がります。意外と習得している人が少ないので、ほかの人とは一味違った演奏をすることができるのです。
練習方法
ここでは基本的なエイトビートを例にして解説していきたいと思います。
まずはエイトビートを言語化してみましょう。
右手で出来ていることなので、意外とあっさりそれっぽくできてしまうかもしれません。
でもアップダウンはできていますか?バスドラムとハイハットのタイミングは合っていますか?テンポを上げるとぐちゃくちゃになりませんか?
是非、一度スタジオに入ってオープンハンドで演奏を行っているところを録画してみましょう。
①やりたいことを言語化する
②実際に練習して録音・録画をして振り返る
③改善点を見つけて意識して練習をする
④練習の成果を録音・録画して確認する
この手順を積んでいけば、オープンハンドに限らず必ずレベルアップしていきます。
この録音をして振り返ることをやっていない方が非常に多く感じます。
実際に演奏を聴くのは演奏している本人ではなく第三者です。それであれば第三者にどのように聞こえるかをよく検証してカッコイイと思われる演奏を目指していきましょう。
自宅での練習パッドを用いた練習も録音すると、粒が揃っていなかたり、アクセントが上手く表現できていなかったりすることに気が付くかと思います。

最後に
■オープンハンド奏法は、腕をクロスせずに演奏することで、自由度の高いプレイスタイルを実現できる。
■ 左利きのドラマーにとって、通常のセッティングで利き手を活かせるメリットが大きい。
■ 右利きのドラマーでも、左手の強化やフィルインのバリエーションを増やすトレーニングとして有効。
■ 録音・録画を活用し、自分のプレイを客観的に振り返ることがレベルアップの鍵。
オープンハンド奏法は、単に「クロスしないだけ」「左利きの人専用」というだけでなく、右利きの方でも練習として取り入れることで演奏の自由度を高め、フィルやダイナミクスの表現力を向上させる大きな武器になります。
最初は違和感があるかもしれませんが、少しずつ練習を積み重ねていけば、確実に習得できます。
「演奏の幅を広げたい」「ほかのドラマーと差をつけたい」と思っている方は、ぜひオープンハンド奏法に挑戦してみてください!


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