ゼロから学ぶ!建築施工管理技士の力学入門|力のつり合いとモーメント【建築構造力学②】

建築関連
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今回は前回の記事に続き、実際の練習問題を解きながら、ポイントや考え方を解説していきます。実践形式で進めることで、試験本番でもスムーズに解けるようになるはずです。

前回の記事をまだ見ていない方はそちらで用語解説などもしていますので、参考にしてください。

少し長文になってしまいますが、じっくり読み進めてみてください!

例題

下図の交点反力(VA・VB・HA)を求めよ。

もう力学が苦手な方はページバックをしそうな頃だと思いますが、この記事を最後まで読んでいけばこの問題が解けるようになります!

まずは求める力を図に示していきます。

つまり、A-Bにかかっている梁材を点AとBで支持しており、上から10kNの力がかかっている状態で静止している構造の、点AとBの上からの力に抵抗する力と、水平方向にかかる力を求めてあげましょうという問題です。

まず覚えておいて欲しいのが、Y方向(上下方向)とX方向(左右方向)の力が釣り合っているということです。つまり、例えば上向きの力と下向きの力をそれぞれ足していくと、合計で0になるということです。

書き方としては∑〇=0と書いたりします(∑:〇に当てはまる場合の数を足したり引いたりしたときの合計)

ちょっと難しい感じがするので実際に問題を解きながら理解していきましょう。

まずはX方向(左右方向)について、式にすると下記のようになります。

∑X=0

つまり、X方向の力の足し算は0になりますよということです。

今回は右向きの力をプラス、左向きの力をマイナスとして計算していきます。

∑X=0より、HA=0 

今回、HAについては力が一方向しかありません。そもそもそんな力はこの構造にはかかっていなかったのです。例えば上からかかっている10kNの力が斜めに働いていたり、横向きの力が別にかかっていればその力に抵抗して構造を静止させるたにHA存在しますが、今回は横向きの力がかかっていません。その為、構造を静止させる為に働く力も0ということになります。

次に上下方向の反力を計算していきたいと思います。

今回は上向きの力をプラス、下向きの力をマイナスとして計算していきます。

∑Y=0より、VA+VB-10kN=0 ⇒ VA+VB=10kN

つまり、VAとVBを足すとになるということです。

次に合計して10kNの力が、どのような割合で掛かってきているのかを計算していきたいと思います。なんとなく感覚的には力がかかっているVAの方が大きな値になりそうですよね。

モーメントと構造を理解する

モーメントというのは力×距離で求めることができます。

そして今回のこの構造、梁の下が三角形の部材で支えられています。これは回転端と言って、この部分ではモーメントは0になります。

三角形の下に線が入っているもの(今回の点B)もありますが、こちらはモーメントと水平反力が0になるものですが、今回は関係ないので三角形のものと同様にして捉えて大丈夫です。

ポイントをまとめます。

①モーメントは力×距離

②回転端なので点A・点B部分でのモーメントは0

ここまで理解できたら早速問題の続きを解いていきたいと思います。

問題の続き

点Aでのモーメントを求めていきます。

∑MA=0なので、点Aにかかるモーメントの要素を全て足していって0にすれば解決です。

もう一度問題を確認してみましょう。

点Aにかかっている力を書き出します。

①2mの距離に10kN

②5mの距離にVB 

そしてこれらの力の回転端の為に合計が0になります。

今回の計算は点Aを反時計周り方向に動かす力をプラス、時計回りをマイナスとして計算していきます。

10kN×2m-VB×5m=0 ⇒ 5VB=20kN・m ⇒ VB=4kN

つまり、VB=4kNとなります。

VA+VB=10kNと以前の計算で出ているので、のこりのVAは6kNとなります。

式で書くと下記のようになります。

VA+4kN=10kN ⇒ VA=10kN-4kN ⇒ VA=6kN

これで問題にあった全ての反力を求めることができました。

今回はここまで。

次回はもう少し複雑な形の問題を紹介していきたいと思います!

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