個人事業主として新たな一歩を踏み出そうとしているあなたへ、この記事では「開業届の提出方法」「扶養に入る際の手続き」「健康保険の選択肢」など、開業に必要な手続きを私の体験談を基に分かりやすく解説します。
退職後に事業を始める場合、どこから手をつけてよいのかわからないことも多いものです。この記事を読むことで、開業準備に必要な具体的な手順や、扶養や健康保険に関する疑問が解決し、安心して新しいスタートを切ることができます。
※会社を退職して独立する方向けに記事を書いていきます。
開業日を基準にした全体の流れ
開業日3か月前〜1か月前
- 退職準備
- 退職届を提出
- 退職日の1〜3か月前に提出します。
- 会社からもらうべき書類を確認
- 必要書類:
- 源泉徴収票
- 離職票(失業保険を申請する場合)
- 健康保険資格喪失証明書
- 年金手帳
- 必要書類:
- 退職届を提出
- 開業計画を立てる
- 事業内容や目標、必要資金を整理します。
- 使用する事業用口座や会計ソフトを検討します。
開業日から1週間以内
- 開業届の提出
- 提出場所: 所轄の税務署。
- 提出書類:
- 個人事業の開業・廃業等届出書(1部提出)
- 税務署で入手、または国税庁の公式サイトからダウンロード可能。
- 青色申告承認申請書(青色申告を希望する場合)
- 提出期限は開業日から2か月以内。
- 印鑑(シャチハタ不可)
- 個人事業の開業・廃業等届出書(1部提出)
- 注意点:
- 窓口で提出する場合、控え用のコピーも持参し、受付印をもらいます。
- e-Taxを利用してオンラインで提出することも可能です。
- 健康保険の選択と手続き
- 選択肢:
- 扶養に入る場合
- 提出先: 扶養に入る人の勤務先。扶養手続きは、扶養に入る人(被扶養者)の書類を被保険者の勤務先に提出します。その後、健康保険組合が審査を行い、扶養認定される流れになります。
- 必要書類:
- 健康保険資格喪失証明書
- 住民票
- 所得証明書または収入見込みの申告書。
- 国民健康保険に加入する場合
- 提出先: 市区町村役場。
- 必要書類:
- 健康保険資格喪失証明書。
- 任意継続被保険者として加入する場合
- 提出先: 退職時の健康保険組合。
- 必要書類:
- 健康保険任意継続被保険者資格取得申請書。
- 扶養に入る場合
- 選択肢:
- 年金の手続き
- 提出先: 市区町村役場。
- 必要書類:
- 年金手帳。
- 健康保険資格喪失証明書。
開業日から1か月以内
- 事業用の銀行口座の開設
- 提出書類:
- 開業届の控え。
- 身分証明書(運転免許証など)。
- 屋号付き口座: 銀行によっては個人事業主専用の口座を開設できます。
- 提出書類:
- 会計ソフトの導入
- おすすめ: freee、弥生会計。
- 青色申告に対応しているものを選ぶ。
開業日から3か月以内
- 青色申告の帳簿作成を開始
- 必要書類:
- 現金出納帳。
- 預金出納帳。
- 売上帳。
- 経費帳。
- ツール: 会計ソフトを活用すると効率的。
- 必要書類:
- 名刺・チラシの作成
- 名刺を作成し、取引先や顧客に配布。
- ブログやSNSで開業を宣伝
- 開業までの流れや事業内容を発信。
- ターゲット層に合わせた情報を提供。
扶養に入るべきかの判断基準
扶養に入る方が良い場合
- 事業が軌道に乗るまでの収入が少ない場合
- 初年度の収入が130万円以下の見込みであれば、扶養に入って費用負担を軽減するのが得策です。
- 収益が安定するまでの期間、コスト削減に集中できます。
- 健康保険や年金の負担を軽くしたい場合
- 事業開始時の収入が不安定で、固定費を抑えたい場合に有効です。
扶養に入らない方が良い場合
- 早期に130万円以上の収入が見込まれる場合
- 収入が増えると扶養から外れる手続きが必要になるため、初めから国民健康保険や任意継続保険に加入した方がスムーズです。
- 事業をフルスケールで展開する場合
- 売上がすぐに拡大する計画がある場合、扶養制限に縛られるリスクを避けるべきです。
扶養に入る場合の注意事項
扶養から外れる必要があるケース
- 扶養から外れる条件
- 年間所得が130万円を超えた場合(または月収が108,333円を超えた場合)、健康保険上の扶養資格を喪失します。
- 勤務先の健康保険組合に速やかに報告が必要です。
- 手続きの流れ
- 報告: 勤務先に、扶養資格喪失の旨を伝えます。
- 提出書類:
- 収入証明(売上台帳や確定申告書の控えなど)。
- 健康保険資格喪失届(扶養する人の勤務先で取得可能)。
- その後の健康保険の選択
- 国民健康保険への加入:
- 提出先: 市区町村役場。
- 必要書類:
- 健康保険資格喪失証明書。
- 身分証明書。
- 任意継続被保険者として加入:
- 退職時の健康保険組合に申請(加入後2年間有効)。
- 国民健康保険への加入:
- 年金の確認
- 年間所得130万円を超えても国民年金第1号被保険者としての手続きに変更はありません。
必要書類一覧
項目 | 必要書類 | 提出先 |
---|---|---|
開業届 | 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書) | 所轄税務署 |
青色申告承認申請書 | 青色申告承認申請書 | 所轄税務署 |
健康保険加入手続き | 健康保険資格喪失証明書、住民票、所得証明書 | 市区町村役場、または勤務先 |
年金加入手続き | 年金手帳、健康保険資格喪失証明書 | 市区町村役場 |
銀行口座開設 | 開業届の控え、身分証明書 | 銀行窓口 |
会計ソフトの導入 | 会計ソフト(freee、弥生会計など) | – |
扶養喪失手続き | 健康保険資格喪失届、収入証明書 | 扶養する人の勤務先 |
国民健康保険加入手続き | 健康保険資格喪失証明書、身分証明書 | 市区町村役場 |
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