【建築関連】現場監督ってどんな仕事?残業時間は?元現場監督がリアルな解説

建築関連
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この記事では、現場監督のリアルな業務内容や残業時間などを元新築現場の監督をしていた私がリアルな内容を説明する内容となっております。

現在就職活動中の方や、転職を希望している方のミスマッチを減らすことと、建設関係者の人手不足の解消に少しでも貢献していきたいと思い、記事を書いております。

なるべく分かりやすく、大まかな内容を掴んでいただけるような内容にしたいと考えております。

皆様の参考になれば幸いです。

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現場監督ってどんな仕事?

一言で言えば建築現場の「工程」「予算」「品質」「安全」を管理する仕事です。

一つずつ解説していきます。

工程管理

基本的に建物は工事をいつ始めて、いつ完了させるかというものが決まっており、工事を行うことができる期間に定めがあります。この定められた工事の完了日までに工事を完了させて発注者に建物を引渡すようにする必要があります。

工事の完了日は決まっているので、その日から逆算して日々の工事の進捗の管理を行います。

細分化していくと今月、今週、今日はどこまで何の工事が終わっていないといけないのかといった細かい管理も必要になってきます。

例えば今日が9月30日だとして、10月10日にコンクリートを打つ(打設といいます)予定を立てているとします。明日は何をすべきか、一緒に考えてみましょう。(実際にはもっと内容が多く複雑で、休日なども考えなければいけませんが、今回は省略します)

10月9日にはコンクリートを流し込む型枠と呼ばれるコンクリートを固める箱を作り終えた状態で、最後の確認を行わないといけないので、10月8日には型枠の作業を終えたいと考えています。

型枠の作業は7日間掛かる計算になっています。

型枠作業の前にコンクリートの中に埋め込む鉄筋を組み立てないといけません。

そうすると工程か下記のようになります。

10/1 鉄筋組立完了

10/2~10/8 型枠組立作業

10/9 コンクリート打設前の確認等

10/10コンクリート打設

つまり、今日中に鉄筋組立を完了させないと次の型枠組立に影響が出てしまい、コンクリートの打設に間に合わなくなってしまうのです。つまり、明日は「鉄筋の組立を完了させる必要がある」ということになります。

また、万が一工事に遅れが発生してしまった場合、決められた工事の完了日に間に合うように工程を再度組み直して対応していきます。

予算管理

どの仕事でもそうですが、予算が決められています。

建築の予算については小難しい名前がたくさん出てきますので、それは就職してから勉強してもらうとして、今回は本当にざっくりとのみ解説します。

例えば現場全体の予算が10億円だったとします。

その内訳が下記のようになっていたとします。

建物本体にかかるお金(コンクリートや内装の壁等)・・・4億円

実際に作業をする作業員のお金・・・4億円

足場や重機と言った建物完成時には残らないが建てるのに必要なお金(仮設)・・・2億円

これで合計10億円です。

それではここで、実際には2億円で見ていた仮設ですが、想像していたよりも大きな重機が必要になってしまい、2.2億円かかってしまったとします。

合計で10.2億円のお金が必要になってしまうので、0.1億円の費用をどこからか捻出しないといけません。

コンクリートや鉄筋の量を勝手に設計図から減らしてしまうことはできないので、鉄筋組み立ての作業と足場を変更しての組み立て作業を効率化することで下記の様に減額できました。

実際に作業をする作業員のお金・・・4億円→3.9億円

足場や重機と言った建物完成時には残らないが建てるのに必要なお金(仮設)・・・2億円→1.9億円

合計で10億円なので予算内で工事を完了させることができます。

このように、今お金がいくらかかっていて、今後いくら必要になってくるかを常に計算しながら、与えられた予算の中で建物を完成させることができるように管理をしていくのです。

品質管理

建物が完成しても壁が曲がっていたり、天井が落っこちて来てしまっては大問題です。もっと大きな問題だと、建物を建てる上での法律を守れていないと違反建築となってしまいます。

そのようなことが無いように管理していくのが品質管理です。

例えばこのような法律があります。

【建築基準法施行令 第79条第1項】鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、耐力壁以外の壁又は床にあつては2センチメートル以上、耐力壁、柱又ははりにあつては3センチメートル以上、直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分にあつては4センチメートル以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあっては捨コンクリートの部分を除いて6センチメートル以上としなければならない。

何を言っているのか分からなくても大丈夫。説明します。

要は鉄筋コンクリート造の建物を建てるときは、コンクリートの中に鉄筋が入っているのですが、あんまり表面に鉄筋がいると錆びてしまうので、ある程度中に入れておきましょう。ということです。

これは設計図にも書かれている内容になりますが、実際に工事が始まると現場監督が中心となって管理をしていくことになります。鉄筋が表面にいないか確認をして写真を撮って証拠を残していくのです。

ちなみに現場監督は写真を凄い数撮影します。これは適正に管理が行えている証拠を残す為であり、特に工事か完了した後に見えなくなってしまう部分は重要な証拠となるのです。

安全管理

例えば足場の手すりが外れていたとしましょう。そこで作業を行っている人が落下してしまったら大きな事故になってしまう可能性があるので、手すりをもとに戻さないといけません。そうした事故を防ぐ為に危険を発見し是正していくことも現場監督の仕事の一つです。

昔に比べて今は安全基準も厳しくなり、意識も向上していると感じていますが、建築の現場は「作っている途中」であるため、やはりどうしても危険な箇所は出てきます。その為ヘルメットをかぶり、命綱を付けて作業を行うのですが、命綱をひっかける部分を整備するのは現場監督です。

危険を発見し、事故を未然に防いで安全に工事を行える状態とすることが重要なのです。

残業って多いの?

ゼネコンの本社などは9時から始業という場合もありますが、現場は8時から朝礼を始めるところが多いです。

つまり、朝は8時から仕事が始まる・・・訳ではないのです。

朝礼前に職人さんに渡す図面の修正・印刷であったり、メールの確認などを行う必要があるので、私は7時~7時半には現場事務所に到着するようにしていました。

次に帰る時間についてです。定時は8時間勤務として8時~17時とします。

現場作業(実際に建物を作っている時間)が8時~17時です。つまり、作業終了後に現場の確認を行い、電気を消して鍵を閉めて事務所に戻って・・・。私の経験上、どんなに早くても17時半です。既に30分の残業をしてしまいました。

特に若い監督は日中現場に出ていることが多いので、事務作業の為のまとまった時間を取ることが難しく、現場を閉めた後に作業を行うことになります。図面を修正したり安全の書類をチェックしたり、思っている以上に現場監督の事務作業って多いんですよ。

ここからは所長や主任といった上司の意向によりますが、日中できなかった事務作業を行います。

これが鬼軍曹みたいな上司に当たるともう大変です。長時間労働を美徳とするタイプ。睡眠時間の少なさをステータスとするタイプ。キメ台詞は「終わるまで帰るな」。はい、今の時代そんなことをしてしまったら大変です。私の頃は置いておいて、今は会社からも早く帰るように指導されます。残業が多いと上司(現場所長)が会社から怒られる時代です。ICTの導入も進んで来ており、竣工間際などの超忙しい時期は別として、概ね20時には帰っている人が多い印象ですね。

土曜の出勤はどうでしょうか。今は「土曜日は工事をやめよう」という動きがありますが、まだまだ完全にお休みにはなっていないのが現状。工事が動いていると言うことは監督者がいないといけません。つまり、監督は土曜日も出勤することがあります。しかし、現在は交代で休むようになっていたりしますので、土曜日もある程度休めるようになっています。体感としては半々くらいでしょうか。

ここまでの内容を読んでいただいた方は、なんとなく残業が多そうだというイメージから、残業が多そうというイメージに変わったのでは、いや、何も変わっていないでしょう。実際問題、他業種と比べて労働時間という部分で課題が多いのは事実だと思います。

現場監督の良いところ

今までのこの記事の内容を見ると、まさにブラック。このままでは記事を書き終えたらネガティブキャンペーンまっしぐら。でも良いところもたくさんあります。

私の務めていた会社では、本社の本部長になった後、また現場監督として働きたくて会社に直談判しに行った結果、再度現場所長に・・・なんて話もありました。何十年も現場監督として務める人も居ます。それだけ人によっては魅力的な仕事でもあるのです。

それでは魅力を説明していきたいと思います。

①裁量が大きい

現場は一つの会社のようなものです。

所長が社長で次席が部長で・・・現場を運営していくのは一つの会社を運営しているイメージです。

もちろん新入社員の方も、現場という時に何十人、何百人といった作業員をまとめ上げ、指示を出し、計画を練らなくてはいけません。その裁量の大きさがやりがいへと繋がって行くと思います。

②やりがい

建物を建てるという行為は、たくさんの方の協力が必要になります。それを指揮監督するのが現場監督です。自分の計画通りに工事が進み、何億、何十億というプロジェクトを成功させた時は大きなやりがいがあります。

私が就活生・新入社員の頃に「いつやりがいを感じますか」と先輩社員に聞いて回ってアンケートを取ったことがあります。

私の調べでは第一位は「外部足場が解体される時」です。足場が設置されていると遠くから建物全体を見ることはできません。しかし、足場が解体されていくと建物の外壁が見えるようになり、遠くからでも建物らしい姿を見ることができます。その瞬間が堂々の第一位でした。

③工事完了後もそこに残る

工事が完了してお客さんに引渡を行った後も、一生懸命作った建物は解体される日までそこに残り続けます。

目の前を通る度に苦労した箇所を思い出したりするものです。私も、関わった建物を使っている人を見る度に、頑張って良かったなぁと感じます。

私はまだ経験していませんが、何年も監督をしていると、若い頃に担当した建物が何十年かして前を通ったら解体されていた・・・なんて、なんとも言えない気持ちになる話も聞いたことがあります。

監督として働き出したら・・・

現場監督は他業種と比べると残業時間も多い傾向にあり、朝も早く、大変な仕事であることは間違いありません。

しかし、何年も現場監督を続ける人が居ることから、ものづくりが好きな人にとっては魅力いっぱいの仕事であることもまた事実です。ご興味のある方は是非下記リンクから就職支援サイトに登録してお話だけでも聞いてみてください。

作業員(職人さん)の方が怖いというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。私も最初はそういうイメージを持っていました。しかし、実際に働いてみると自分の仕事にプライドを持っている方が多く、一生懸命仕事をしているからこそ、ついつい声が大きくなってしまう部分があるのだと理解しました。私が新入社員の頃は監督はおろか、実際にどのように工事を進めていくのかが分かっていませんでしたので、よく職人さんに作業手順などを聞いて回っていました思い出があります。本当にたくさん助けていただきました。

私が考える監督として働き出した際に最初にやるべき一番大切な仕事は「あいさつ」です。

最初は作業手順なんて全く分かりませんし、聞かれたことなんて答えられるハズがありません。今はそれで良いのです。知識は徐々に付けて行けば問題ありません。特に1つ目の現場なんてやること全て初めてですからね。何も分からなくて当然です。しかし、周りの職人さんとコミュニケーションを取り、作業手順を学び、注意点を学ぶ事はできます。時には先輩から言われた期日までに今の工事を完了させる為に職人さんになんとかお願いをする・・・なんて機会も出てくると思います。そんな時に「仕方ねえなぁ」と協力して貰えるようになることが武器になります。その為にも、まずは挨拶。実践してみてください。

私が現場監督にお勧めする腕時計はG-SHOCKです。

楽天にもかなりの数があるので、確認してみてください!

現場監督として働き出すと施工管理技士という資格の取得を会社から求められると思います。

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中には建築士の資格を取りたいという方も多いかと思います。

いきなり一級は難しそう・・・と感じているかた、まずは2級を受けてみてはいかがでしょうか。

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