普段はドラム関係の記事の多い私ですが、実は建築関係で働いております。
思い返せば大学時代、就職活動で施主やらゼネコンやらの関係性が良く分からず、苦労した思い出がございます。
そこで今回は、建築屋である私が、その辺をザックリと解説していきたいと思います。
今回はこれから知識を身につけていきたい、今から調べ出す方向けに、細かい部分はなるべく端折って大まかなイメージを掴んでいただくことを目的としております。
こちらの記事を読み終わる頃には今よりイメージができているはずなので、より詳細な内容を知りたい方は理解が深まった後に調べてみることをおすすめします。
それぞれの目的
建築業界と一言で言っても、色々な業種、職種があります。
その全員の目的は、建物を「決められた日までに」「決められたお金で」「決められた品質の」建物を完成させることです。
このどこかがかけてしまえば、工事としては良い工事とは言えなくなってしまうのです。
建物ができあがるまで
建物ができあがる(以下、竣工といいます)までにはいくつかのステップがあります。
実はもっと細かいステップ(例えば役所の検査とか・・・)がもっとたくさんありますが、今回は流れを掴んで貰いやすくするために、全体の流れのみを解説します。
①建物を建てたい人(以下、施主といいます)が建てることを決める
②設計図を描く(以下、設計といいます)
③工事を行う(以下、着工といいます)
④建物が完成して施主に引渡をする
大体こんな流れになっています。順に解説していきます。
①建物を建てて欲しい会社、又は個人が建物を建てることを決めるステップです。大手企業が計画している何百億円という規模の物件から個人の住宅まで規模が様々です。
②一級(二級)建築士が設計図を描くステップです。将来的に建築士を目指している方も多いのではないでしょうか。ちなみに一級建築士と二級建築士は設計できる建物の大きさ(規模)が変わります。描いて貰った図面に納得したら、実際にゼネコン(工務店)に工事を依頼します。
③実際に工事を行うステップです。ゼネコンや工務店と言った会社が現場を立ち上げて工事を行います。ちなみに日本には多数のゼネコンと呼ばれる工事を請け負う会社が存在しますが、その中でも特に大きな会社5社をスーパーゼネコンと呼びます。テストにでますよ!
④竣工、引渡を行うステップです。施主や役所などの検査を受けて、合格したらいよいよ竣工です。施主へ引渡を行い、建物の名義がゼネコンから施主へ移動します。
大まかに説明するとこのような感じです。
資格について
勉強の話です。嫌いな人は本当に嫌い。でも会社に入ったら資格を取りなさいと絶対に言われる。大切なところだからしっかり確認してほしい。
上記の①②③に合わせて記載していきます。
①④建物を建てたい人→就職先としては不動産デベロッパーが多いかと思います。そうしたら絶対に言われるであろう資格が「宅地建物取引士」。いわゆる宅建。品質管理部門なら「施工管理技士」、企画系の人ならインテリアコーディネーター等も武器になります。ちなみにインテリアコーディネーターは建築の歴史も学ぶことができるため、おすすめの資格です。難易度もそんなに高くないので取っておくと非常に役立つ資格の一つです。下記の口座は動画で効率よく学習ができるみたいなので興味のある方はリンク先に行ってみてください。
②設計図を描く人→「建築士」。これは建築士の資格を持って居ないと自分の名前で設計ができないからです。ちなみに今回の資格紹介コーナーにおいて最難関。二次試験になると建物を実際に設計して手書きで図面を描く試験も。超難しい。いきなり一級は・・・という方は二級から挑戦してみるのも良いかもしれません。
③工事を行う人→ここは分野によって様々です。ゼネコンと呼ばれる会社に就職して現場監督をやっていくなら「一級建築施工管理技士」でしょう。この資格を持っていると現場の監理技術者というものになることができます。難しい話は興味が出てから調べて貰うとしてざっくり言ってしまうと「現場が動いているのに建築に詳しい人が現場にいないのはまずいから、現場毎(規模によっては兼任も可)に詳しい人を置いてね!」ということで、「私建築詳しいです」という為の資格です。電気系なら別に電気系、設備系なら設備系、建築は業種が細かく分かれているので、その業種毎に資格があります。
実務経験が必要な資格なので働きながら勉強することになりますが、そちらが不安な方は資格講座のご用意もありますので、一度確認してみてください!
1級建築施工管理技士どんな業種があるの?
建築業界に就職したいんだけど、どんな就職先があるの?という疑問にお答えしていきます。
①施主(不動産デベロッパー等)
こちらは、例えば○○不動産のような名前の会社で(もちろん違う名前の会社も多数あります。イメージとして捉えて貰うと幸いです)、建物を建てて貰い、売ったり貸したりすることで利益を得ている会社になります。厳密には建築業と言うよりは不動産業なのですが、こちらの会社にも品質管理部のような部署があることが多く、現場と密に連携をとり、設計図には書き切れない細かな仕様の決定から検査まで行うこともあります。
②ゼネコン(工務店)
○○建設、○○工業といった会社で(こちらも違う名前の会社も多数あります。○○建設としていても総合建設業でない会社である可能性もあります。イメージとして捉えて貰うと幸いです)主に設計図を元に現場を進めて行く仕事をしています。現場の管理、職人さんの手配、日々の記録、現場図面の作成等、仕事内容は多岐に渡ります。図面は建築士が描くんじゃないの?と思った方、設計図では現場レベルでの細部の検討まで行えていないことが多く、図面通りに施工ができないことも多々あります。そのため、現場で設計図を元に綿密に検討を行い、実際に建物として成立させる為の図面(施工図と呼ばれます)は改めて現場で描きます。
③サブコン
例えば水道の配管やエアコンの配管等、電気系・設備系の分野についてはサブコンよ呼ばれる会社が存在します。○○設備、○○電気と言った会社(もちろん違う名前の会社も多数あります)で、それぞれ電気分野・設備分野をゼネコンからお願いをしてもらい、仕事を行います。こちらはゼネコンのそれぞれの分野特化型バージョンと捉えて貰えれば良いかと思います。基本的にゼネコンとサブコンはセットで仕事を行うことが多いです。
④設計事務所
設計図を描く分野の人たちです。設計図を描くだけでなく、実際の工事が図面通り行えており、法的にも問題ないかを確認する監理者という立場になります。その為意外と現場にも行くことが多いです。
⑤作業員(職人)
実際に建物を手を動かして作っていく人たちです。杭を打つ杭屋さん、足場を組み立てる鳶さん、鉄筋を組み立てる鉄筋屋さん、様々な職種があります。本当に分業化されているので職種が多いのが建築の特徴です。
他にもありますが、大きくはこの辺でしょうか。
ブラックって聞くけど・・・
実際気になる人も多いのではないでしょうか。
建築に興味はある、就職・転職もしてみたい、けどブラックって聞くから怖い。
私の独断でも良いのですが、就職サイトのリンクも貼っておきますので、気になる方はプロに相談してみても良いと思います。
既に就職活動が始まっている方、準備を始めたい方、転職希望の方、それぞれリンクを貼りましたので、気になったサイトに飛んでみてください。ちなみに私も転職経験者です。就職活動も転職活動もやったことをやるのはいつだって勇気の要ることです。後から後悔の無いよう、早めに動いてみましょう。
「不動産」・「設備」・「建設」専門の転職エージェントサイト【プライムキャリア】さて、ここからは私の独断と偏見のコーナーです。
先ほども書かせていただきましたが、「決められた日までに」「決められたお金で」「決められた品質の」建物を完成させることが全員業務です。もし与えられた工事の日数が短ければ「決められた日までに」という部分で無理が生じ、与えられた予算が少なければ「決められたお金で」という部分で厳しい現場となります。町中を見て見ると土曜日も動いている現場が多い。世間は週休3日の動きがあるのに建築業ときたら土曜まで動いて週休1日じゃないか。
仰りたいことは良く分かります。ですが、今は働き方改革が進んで来ております。例えば完全週休2日とはいかなくても土曜日は交代で休んだり、残業もアプリケーションを使って上手く減らしていこうとする流れがあったり。例えば現場監督の重要な職務の一つである写真撮影。これも今までは撮影した写真を一枚一枚取り込んで、説明を書いて・・・としていたのがパソコンに繋ぐだけで大体解決してしまったり。会社からも残業を減らせと言われるので勤務時間は短くなってきていると感じていますが、他業種に比べてまだまだ残業が多いのもまた事実。これは誤解を恐れず、また就職してからのミスマッチを防ぐ為に正直に言います。
しかし、それが好きなことならどうでしょうか?一日に何時間もゲームをする方や動画を視聴する方がいるように、仕事を業務としてのみ捉えると「ブラック」の一言で片付いてしまうかもしれません。ですが、建築が好き、建物が好き、物作りが好き、現場が好き、規模の大きな物が好き、協力して大きな物を作るのが好き、動機は様々ですが、これらに当てはまる人には「やりがい」と言った部分で大きなメリットがあると考えています。
人生の時間の多くを仕事という部分に使うのなら「好きで」「やりがいのある」ことをやってみたいと思いませんか?
ちなみに作者調べ、やりがいを感じた瞬間第一位は「外部足場が外れた時」です。就職活動中~新卒の時期に先輩社員に聞いて回りました。
給料も他業種と比べ低くないのも良い点ですね笑
今回は建築業界の建物が完成するまでと、それに付随する資格情報などをザックリと解説させていただきました。
他にも解説、説明して欲しいことがありましたら、コメントをいただけると幸いです。
作者の励みにもなります笑
また、私の記事は音楽、特にドラム系をメインで発信しております。
こちらは超初心者向けに解説をしておりますので、初めてみようかな?と考えている方がいらっしゃいましたら、ご一緒に読んでいただけますと幸いです。
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